対人賠償の範囲や慰謝料の計算方法。なぜ無制限がいいのか?

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対人賠償を無制限にしたほうがいい理由は?

自動車保険を組み立てるとき、ダイレクト型であれ店舗型であれ、対人賠償保険がほぼ必ず基本補償として付いてきます。

 

いざという時に必要だということは分かりますが、具体的にはどんな範囲にいくら支払われるのか分からない人は多いでしょう

 

今回は、対人賠償がどのような補償で、無制限にしておいたほうがいい理由についてわかりやすく、そして詳しくお伝えしていきます!

 

 

対人賠償保険とは

対人賠償保険とは、相手の「人」に対する補償です。

 

もしあなたが事故を起こしてしまったときに「他人」に支払われる補償のことをいいます。

 

さて、この「他人」というのはどの範囲の事を言うのでしょうか?

 

車に友人を乗せていて単独事故を起こしたら友人への補償は支払われるのでしょうか?
別居している子や親はどうでしょうか?

 

そのあたりを詳しく見ていきましょう。

 

 

対人賠償保険の範囲

 

対人賠償保険は、あなたが加害者になったときに被害者の「人」に支払われる保険です。

 

あなたが運転している車と他人の車、自転車、歩行者との事故の場合は、相手に対して支払わられるのはわかりますよね。

 

 

では、兄弟や子ども、孫などの親族に対して事故を起こしてしまったときはどうなるのでしょうか?

 

自分の子または孫を轢いてしまったという残酷な事故があります。
また、彼女または友人を乗せてドライブしているときに、単独事故を起こすことも考えられます。

 

 

親族や親戚の場合は対人賠償保険では範囲外となり、保険金は支払われません。
残酷な話ですが、別居しているおじいちゃんが孫を轢いてしまった場合、親に対人賠償保険から支払われることはありません。

 

その代わり、人身傷害保険からの支払いはあります。
人身傷害保険は、事故にあったときの自分や同乗者、家族への保険なので、こちらも合わせて覚えておきましょう。

 

 

では、彼女や友人の場合はどうなのか?
こちらの場合は、「他人」になるので、対人賠償保険の範囲内となります。

 

同乗者が家族の場合は範囲外ですが、友人や恋人の場合は適用されることは覚えておきましょう。

 

対人賠償保険は、あくまでも事故の被害者である他人に対する損害賠償責任を補償するものです。

 

もし、自分自身や同乗している親族なども補償したい場合は、人身傷害保険が必要になります。

 

→人身傷害保険に範囲は?補償額は3000万でいい理由

 

人身傷害保険であれば、運転者である自分やその配偶者や親族など、すべての同乗者が保険金を受け取ることができるのです。

 

 

 

 

 

対人賠償が支払われないケース

 

残念ながら、保険には「適用されない場合」があります。
多くの場合は、どうしようもない場合や悪質な場合ですが、具体的に理解しておかなければ、いざという時に困ってしまうでしょう。

 

自然災害や故意

 

台風や高潮、地震や噴火などの天災によって生じた事故の場合、免責されることとなっており、対人賠償保険は適用されません。
また、内乱や騒乱、暴動などの異常な状況での事故も同様です。これらの場合は、保険適用以前の問題だということです。

 

 

酒気帯びや飲酒運転ではどうなる?

飲酒運転の場合、こちらが加害者の場合は問題なく対人賠償保険が支払われます。

 

ただ、彼女や友人が同情していた場合、同乗者が飲酒運転と知っていた可能性もあることから、同乗者への保険は減額か支払われないでしょう。

 

※飲酒運転は絶対にやめましょう

 

 

 

対人賠償の計算方法

 

対人倍書保険は、「過失割合」によって支払金額が変わってきます。

 

また、対人賠償保険は、「自賠責保険でまかないきれない金額を補填する保険」という性質がありますので、自賠責保険から優先的に支払われることになります。

 

 

自賠責保険と過失割合の計算方法

 

対人賠償保険で支払う保険金は、被害者の損害額のうち自分の過失割合に相当する部分だけです。

 

そのため、過失割合が決まらなければ対人賠償保険を支払えないわけです。
なお、実際にはそこから自賠責保険の保険料が差し引かれた金額が、対人賠償保険から支払われることになりますので、以下のような式で表すことができるでしょう。

 

 

(被害者の損害額×加害者の過失割合)- 自賠責保険の補償金額

 

 

例えば、損害賠償する金額が600万円で、過失割合が80%だった場合は、以下のようになります。

 

 

(600万円×0.8)― 120万円 = 360万円

 

 

もちろん、被害者には、対人賠償保険の360万円と自賠責保険の120万円を合計した480万円が支払われます。

 

 

慰謝料はいくらになる?

 

自賠責保険や対人賠償保険で支払われる保険金には、実際に治療にかかったお金とは別に、慰謝料も含まれています。
その金額は、どうやって計算されるのでしょうか?

 

 

もちろん、後遺症が残るかどうかや、死亡させた場合とでは金額が違ってきます。

 

慰謝料の算出方法は以下の3種類の方法があります。

 

  1. 自賠責保険での算出方法
  2. 対人賠償保険での算出方法
  3. 弁護士会で利用されている基準

 

 

対人賠償保険の算出方法については、各保険会社の社外秘情報となっていて公開されていません
おおよそ、自賠責保険で算出された金額の0.75倍程度と言われています。

 

弁護士会の算出方法では、自賠責保険で算出された金額の2倍から3倍になるようです。
(交渉の目安ですので、実際にはもう少し目減りした金額になることでしょう)

 

 

つまり、明確な金額があるのは自賠責保険での算出方法で、対人賠償保険も弁護士会もそれをベースにしています。
ここでは、自賠責保険の慰謝料について紹介しましょう。

 

 

死亡させてしまった場合

 

死亡事故の慰謝料については、死亡した本人に対しての慰謝料と、その遺族に対しての慰謝料の合計で計算されます。

 

 

被害者本人の慰謝料 …… 350万円
遺族の慰謝料 …………… 慰謝料の請求者の人数による金額と被扶養者の人数による金額の合計です。

 

請求者が、1名の場合550万円、2名の場合650万円、3名の場合750万円
被扶養者の人数×200万円

 

 

つまり、最低で350万円、最高で1,100万円+被扶養者の人数×200万円になるわけです。

 

 

後遺障害が残ってしまった

 

神経系統の機能障害、精神や胸部臓器への著しい障害が残る重度障害か、そうではない障害かで金額が変わってきます。
また、その中でも障害の程度によって金額が違います。

 

 

重度障害で常時介護(第1級) …… 1,600万円+500万円(一時金)
重度障害で随時介護(第2級) …… 1,163万円+205万円(一時金)
その他障害の第1級 ………………… 1,100万円
その他障害の第14級 ………………… 75万円

 

 

ケガでの通院費や休業損害

 

ケガに対する慰謝料は、入通院1日あたり4,200円をベースに計算されます
。もちろんこれは、治療費や入院費用とは別ですし、通院交通費は実費で支払うことになります。

 

また、仕事を休んで収入がなくなることに対する補償として、原則として1日あたり5,700円を支払うことになります。

 

 

対人賠償保険を無制限にしなければいけない理由

 

対人賠償保険は、無条件に「無制限」で設定されます。
もちろん、自動車保険の中には依頼すれば5,000万円までや3,000万円までと減額することができる場合もあり、その方が保険料を抑えられるかもしれません。

 

しかし、実際には「無制限」にしなければいけません。

 

 

なぜなら、昨今の死亡事故で支払われる保険金の多くが、億単位の支払金額になっているからです。
無制限でなければ、この金額を補うことはできません。

 

 

上記で計算した金額は、「慰謝料」だけに過ぎません
それでも数千万円単位のお金が支払われることになっています。

 

そのため、治療費や入院、休業による損害などをあわせると、億単位の支払金額になるのは簡単なことでしょう。

 

 

自賠責保険では、死亡で3,000万円、後遺障害で4,000万円まで、ケガの場合は120万円までしか補償されません。
これは、慰謝料だけではなく治療費や休業損害などすべてを合計した金額です。

 

これ以上の部分は対人賠償保険でまかなうことになりますので、無制限にしておかなければ到底間に合わないのです。

 

 

実際に起きた事故の例

実際に起きた事故として、バイクに乗っていた29歳の会社員と接触事故を起こしてしまい、後遺障害を追わせ、3億8,281万円の損害額が認定された。ということがあります。

 

後遺障害や死亡事故では、その人が生涯稼ぐはずだった金額を保証しないといけません。
サラリーマンの生涯賃金は3億円と言われていますよね。

 

 

まとめ

誰しもが加害者にはなりたくない!いやならないだろう、と思っているはずです。
しかし、今もどこかで事故が起こっています。

 

毎年、交通事故で4,000人以上の死亡者が出ています。
ケガや後遺障害を含めるとかなりの事故が起こっています。

 

そんなもしもの時の保険です。もし加害者になってしまったときに「保険に入ってなくてお金が払えません」となったら被害者の方はどう思うでしょうか?

 

そんな理由からも、他人に対する保証は無制限にしておいたほうが良いわけです。


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