家族に等級継承したいときの条件や気をつけることは?
ノンフリート等級制度の等級は、親子間で引き継ぐことができます。
そうすることで、本来のスタートである6等級よりも高い等級が適用され、確実に保険料が安くなります。
そんな「等級の引き継ぎ」には、どんな条件や制約があって、どんな手続きをしなければいけないのでしょうか?
また、保険会社を変更するときにも、等級は引き継ぐことができます。
それぞれについて、詳しく解説します。
等級は引き継ぎができる!
自動車保険の保険料に大きく影響する「等級」は、最初は6等級からスタートします。
その後、1年間無事故で過ごせば(保険を使わなければ)1ランクアップし、14年間でようやく最高ランクの20等級に到達します。
6等級と20等級の保険料の違いは、最大で2倍近い金額になります。
つまり、もし最初からこの20等級で始めることができれば、保険料の負担は非常に軽くできるということです。
等級アップの方法は上述した1年間無事故で過ごす以外にありませんので、一般的にはあり得ない話ですが、「家族から等級を引き継ぐ」ことで、それが可能になる場合があります。
例えば、18歳で初めて車を運転するようになった場合を考えましょう。
自動車保険の等級はもちろん6等級から適用されますし、合わせて年齢条件はもっとも不利な「全年齢補償」になります。
これでは、保険料は割引ではなく割り増しされてしまいます。
そんなとき、親が持っている20等級を子に譲り、親が新規に自動車保険に入るのです。
そうすることで、子供は大きな割引率を適用されますし、親はゴールド免許割引や割安な年齢制限を使えるので、トータルの保険料をかなり押さえることができるわけです。
引き継ぎの条件
等級の引き継ぎには、もちろん条件があります。
具体的には各保険会社に確認すれば分かりますが、「引き継ぐ対象」と「車」の両方に条件があります。
引き継ぎ先の対象については、以下のどれかに当てはまる人のみとなりますので、気を付けましょう。
- 契約者の配偶者(内縁関係でも可能)
- 契約者の同居親族
- 契約者の配偶者の同居親族
次に「車」についての条件ですが、こちらは以下の場合に引き継ぐことができます。
車の条件のポイントは「車両の新規取得や廃車、譲渡」であることです。
- 引き継ぎ先が新規で車を入手したこと(購入でも譲渡でも構いません)
- 引き継ぎ元が車を廃車にしたこと
引き継ぎできないケース
引き継ぐことができる条件を説明しましたが、次に「引き継げない」場合を紹介しましょう。
以下を良く理解し、引き継ぎに失敗することがないように注意しましょう。
親子が別居している場合
引き継ぐ先が契約者の配偶者であれば、問題はありません。
しかしそれ以外の場合、等級を引き継ぐことができるのは、契約者か契約者の配偶者と同居している親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)のみです。
6親等の血族はかなり広い範囲(ひおじいちゃんのまた従兄弟までw)ですが、実際には血族や姻族は記にせず、同居しているかしていないかで考えましょう。
そのため、子供が進学や就職で親と別居する予定がある場合は、家を離れるまでに引き継ぎの手続きを済ませておかなければいけません。
裏技的な話ですが、別居しているのであれば、一度住所を変更して同居すれば引き継ぎは可能です。
ただ、これは違反行為になるので、もしバレたら何らかのペナルティがあるかもしれません。
やるやらないはあなたの判断次第ですが・・・
1ヶ月でも同居しているという事実があればゴニョゴニョ・・・。
解約して13ヶ月以上経っている場合
車に乗らなくなったため自動車保険を解約していたが、子供が自動車に乗ることになったため等級を引き継ごうと考えた場合が該当するでしょう。
このとき、解約から1年以上経っていると以前の等級を引き継ぐことができない場合があります。
これは、各損害保険会社が「等級の保持期間が13ヶ月」と規定しているため、それ以上の期間が経過すると等級が失われてしまうからです。
もし、将来的に等級を引き継ぐ可能性がある場合は、ただ単に解約することはやめておいた方が無難でしょう。
引き継ぎの手順例
実際に等級の引き継ぎを行う場合、どういった手順で行うのが最適かは、保険会社に相談すると詳細に教えてもらえます。
ただ、多少の流れは知っておいた方が良いので、一般的な例を紹介しておきます。
親から子へ等級を引き継ぎ、親が新たに保険に入る場合
1. 親の車と子供が乗る車の「車両入替申請」を行う
2. 車両入替が完了次第、保険の名義を親から子に変更する(ここで等級が引き継がれます)
3. 親が新たに自動車保険を契約する
親が自分の車を廃車にして、子供に等級を引き継ぐ場合
1. 子供の車の自動車保険を解約する(契約していれば)
2. 親の車と子供の車の「車両入替申請」を行う
3. 車両入替が完了次第、保険の名義を親から子に変更する(ここで等級が引き継がれます)
4. 親の車を廃車にする
保険会社を変更しても大丈夫?
最近は、自動車保険のキャンペーンなどが頻繁に行われており、いま使っている自動車保険を継続するよりも乗り換えた方が得になることが多くあります。
しかし、もし等級が引き継げなければまた6等級からコツコツ積み上げなければいけませんし、結果的に高くつくことも考えられるでしょう。
そのため、保険会社を変更する場合にも、いままでの等級を引き継ぐ必要があります。
すべての損害保険会社は、保険会社間で契約者の等級情報を共有しており、他社から乗り換えてきた契約者の等級を知ることができるようになっています。
そのため、損害保険会社を乗り換えたとしても、等級をそのまま引き継ぐことができるのです。
損害保険会社間での等級引き継ぎの条件
保険会社間で等級を引き継ぐにも、とうぜん条件がありますので、説明します。
満期日から7日以内に手続きを行うこと
いまの保険契約の等級が7等級以上の場合、満期日から7日以内に引き継ぎの手続きを行う必要があります。
そうでなければ、6等級からの再スタートになりますので、注意が必要です。(保険会社によって日数が違っている場合がありますので、必ず確認するようにしましょう)
ただし、だからといって満期日から1ヶ月後に新規契約を結ぶことで、6等級未満の等級が6等級からの再スタートになったり、事故有等級の適用がなくなったりするわけではありません。
こういった契約者に不利な情報は、13ヶ月間保持されており、それを過ぎなければ継続されるようになっているのです。
引き継ぎ先が「共済」ではないこと
もし、引き継ぎ先として以下の共済を検討している、もしくは共済から損害保険会社への引き継ぎを検討している場合は注意が必要です。
- 教員共済
- 全国自動車共済
- 自治労災
共済については、等級制度そのものが違うものになっています。
そのため、共済に変えたせいで等級を引き継ぐことができず、せっかく積み上げた等級を失うことにもなりかねません。
なお、JA共済、全労済、農協では、等級制度の違いを考慮して引き継げることが確認できています。
解約じゃなくて中断しておく
出張や海外赴任など、しばらく車に乗らないという場合、自動車保険をかけていてももったいないので、解約してしまう場合があります。
しかしそうすると、それまでに積み上げた等級は、上述しているとおり13ヶ月で失われてしまことになるのです。
しかしそれでは、せっかく積み上げた等級が、改めて車に乗り始めるときにまた6等級から始まることになりますし、誰かに引き継ごうと考えても引き継げないことになります。
こういった場合に備えて、解約時に「中断証明書」というものを発行してもらうことができます。
この書類があれば等級が最大で10年間保持されますので、改めて自動車保険を契約するときや、子供や配偶者に等級を引き継ごうとしたときに以前の等級を利用することができるわけです。
ただし、「中断証明書」を発行してもらうためにも、相応の条件がありますので、確認しておきましょう。
契約車両の状態
自動車保険の開始日から解約日(満期日)までの間に契約車両が、以下のいずれかの状態になっている必要があります。
- 廃車、譲渡されている
- 車検証の有効期限が切れており、車検を受けていないこと
- 「一次抹消」の手続きがされていること
- 災害などにより消失していること
海外渡航の場合
海外渡航する場合、契約車両の状態は考慮されませんが、自動車保険の解約日(満期日)から6ヶ月以内に渡航しなければいけません。
中断できる等級
中断できる等級にも制限があり、「7等級以上」でなければいけません。
ただしこの「7等級以上」というのは、次の契約時の等級となります。
例えば、9等級の人が3等級ダウン事故を起こしていた場合は、次回は6等級になりますので、中断することができません。
手続き期間
中断証明書の発行手続きは、等級情報が保持されている、自動車保険の満期日から13ヶ月以内に行わなければいけません。
まとめ
ノンフリート等級の等級は、コツコツと積み上げて築き上げたものですので、ある意味貴重な財産です。
そのため、可能な限り保持して、使わなくなったとしても誰かに引き継ぎたいと思うのはとうぜんだと思います。
そんなときは、ここで紹介した「親族間での引き継ぎ」や「保険会社間での引き継ぎ」、使用しなくなった場合の「中断証明」などを活用して、せっかく作った等級という財産を失わないようにしていきましょう。
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